大河ドラマでも古くはバラエティに染まる前の文学座仕込みの江守徹さんや渋い演技の伊武雅刀さん、近年ではV6の岡田准一さんが官兵衛を演じていて、みなさん知的な渋い演技が印象的でした!
今回は黒田官兵衛の名言の世界へご招待したいと思います!
黒田官兵衛の名言
「天下に最も多きは人なり。最も少なきも人なり」
この名言の意味は、「天下は広くて人間も多くいるが、ただその中で最も優秀な人材はなかなかいない」という意味です。
広いこの世に、多くの人間がいても優秀な人材は一握りしかいないってことですよね。確かにバブル期には「企業戦士」や「24時間戦えますか」という言葉が流行りました。案外戦国武将と現代のビジネスパーソンの考え方は、何百年たっても変わらないなあと思いますね。
「その職にふさわしくない者はすぐに処分したりするが、よく考えてみると、その役を十分に務めてくれるだろうと見たのはその主だ。目利き違いなのだから、主の罪は臣下よりもなお重い」
ちょっと長いですが 笑 この名言の意味は、「その職にふさわしくない者はすぐに処分するが、よく考えてみると、その役を十分に務めてくれるだろうと見たのはその主人だ。目利き違いなのだから、主人の罪は臣下よりもなお重い」となります。
まさにこれも現代に通じますね。以前私が働いていた会社で、後から入社した方がいたのですが、どうやら職歴詐称で入ってきたことが入社後判明し、ほどなくして会社に居づらくなったのか退職していきました。
直属の上司は「騙されたね。見掛け倒しだった」と発言したのですよ。確かに詐称はよくありませんが、選んだのは上司たちあんたらだろうと。笑 役職が上になにつれ、人を見抜く力は重要だなあと思いましたね。「目利き違い」官兵衛良いこと言います。笑
「まず自分の行状を正しくし、理非賞罰をはっきりさせていれば、叱ったり脅したりしなくても、自然に威は備わるものだ」
この名言の意味は、「自分の行いを正しく、公平に部下に接しなさい。そうすれば、叱ったり脅したりしなくても上司としての威厳が生まれるものだ」です。
どの会社にもやたら怒鳴る上司とかいますよね?そうひとに限って仕事ができる上司ではなかったりします。本当にできる上司というのは、怒鳴らなくても的確に仕事をし、仕事の指示ができているので、自然と部下から慕われているものです。
「気が合う家来、合わない家来とでは、仕置の上にもこのような私心ができてくるものであるから、みな、よく注意せねばならぬ」
この名言の意味は、「気の合わない者に対しては、善人をも悪人と思い、道理をも無理のように思い誤ることがある。気が合う家来、合わない家来とでは、仕置の上にもこのような私心ができてくるものであるから、みな、よく注意せねばならない」となります。
人間なので、誰しも気の合う人間、合わない人間がいると思います。かく言う私も。苦笑 人は先入観で人を判断してしまう傾向があると思います。気が合わないとしても、長く付き合ううちにその人のいいところが見えてきて、気が合う人がまさかみたいな
逆もしかり。笑
そこで官兵衛は、名言によって警鐘を鳴らしたと考えられますね。実に戦国時代に生きるには早すぎた人ですね。現代に生まれてほしかった!
「戦いは考え過ぎては勝機を逸する。草履と下駄とをちぐはぐに履いてでもすぐに駆け出すほどの決断。それが大切だ」
この名言の意味は、「戦いは考え過ぎては勝機を逸する。たとえ草履と下駄とをちぐはぐに履いてでもすぐに駆けだすほどの決断。それが大切だ」です。
今と違って戦国時代は、明日をもしれない時代でした。いつまで命が続くのかわからない時代。だからこその重みのある言葉ですよね!
現代でも、例えば仕事のプロジェクトで「この案はいいのか、悪いのか」迷っているうちに似たような案を同僚に提出されるとか。リスクを負ってでも、即決が必要なときってあると思いますね。
「人間には必ず相口、不相口というのがある。相口というのは、他人の心をよく知ってそれに合わせる事だ。不相口というのは、逆らって意見を言う者をいう」
この名言の意味は、「大切なのは不相口であって、相口の者ばかりを周りに集めたのでは決してその者にとって良い事ではない。不相口の者が言う意見に耳を傾けるべきである」となります。
つまり、自分の周りに「イエスマン」ばかりでは良くない。偉い自分にも辛辣に意見する人間にも耳を傾けることが大事だということですね。
イエスマンばかりだと、必ずほころびが出てきます。会社もそうですよね。側近にイエスマンばかりを配置して倒産してしまった会社とか、最近の「日大タックル騒動」とか。
その場では「なんで!」ってムッっとしますが、振り返ってみると「そうだよね」ってこと私にもあるので、意見する人を大事にしていきたいと思いますね。
「すべて国を治めていくには普通の人と同じ心がけでは駄目である。まず、政道に私なく、その上、身の行儀作法を乱さず、万民の手本とならねばならない」
この名言の意味は、「すべての国を治めていくには、普通の人と同じ心がけでは駄目。まず、身の上を律し、みんなのお手本とならなければならない」です。
昨今、政治家の不祥事とか相次いでいますが、国を治める者は、身体をちゃんとして、本来はみんなのお手本とならなければならないのですよね。
昭和の時代とか、結構名政治家が多かったと思いますが、最近の政治家はその辺のサラリーマンとあまり変わらなくなってきている気がします。公人と私人の境目がなくなったというか。
会社とかでも、部下から慕われる社長は発言にブレがないし、年齢関係なく清潔感がある方が多いように思いますね。
「世の中で主のために追腹を切るぐらいつまらぬことはない。腹を切って死んだとしても、わしに従って地獄・極楽を駆け巡るわけではあるまい。わしはただ立派な士を一人でも多く、大切に思う子に譲りたいのだ。必ず殉死を禁ぜよ」
この名言の意味は、「世の中で、主人のために後を追って切腹するほどつまらないことはない。腹を切って死んだとしても私(黒田官兵衛)の後をついて地獄や極楽に行けるわけでもない。私はただ立派な武士を一人でも多く、大切に思う子供に譲りたいのだ。必ず殉死を禁止しなさい」となります。
恐らく、第二次世界大戦まで、「殉死」は普通だったと思います。その中で、官兵衛は命を粗末にしてはいけない。例え主人の後を追ったとしても天国や地獄にいける保証はないというわけですね。
それならば、その命を子供のために大切にしなさいということです。現代では、たまに熱狂的なアイドルファンの後追い自殺がニュースなどになりますが、せっかく立派に育てた親御さんがかわいそうだと思いますね。アイドルが好きなのはわかるけど、残された者のことを考えないと。悲しいかもしれないけど、命を粗末にせず生きて好きだったアイドルを忍ぶのが適切だと思いますね。
官兵衛は、数々の名言を残していますが、中でも教訓を水に例えた「水五訓」という珍しいものがあります。ここからは、「水五訓」についてご紹介!
「自ら活動して他を動かしむるは水なり」
この名言の意味は、「自分自身が自ら動き、模範を示すことで、周囲をけん引しよう」です。特に山に流れている山水は自らが動いてあらゆる物を運んでいますよね。トップに立つ人間として、自ら動き模範を示さなければ部下たちはついてきません。部下たちについてきてほしければ、まずは自分が模範になれと官兵衛は言っています。
以前、なでしこジャパンが優勝した後、澤穂希さんが「苦しい時私の背中を見て」って後輩たちに言っていた逸話が話題になりました。女子サッカーの草創期から活躍し、引っ張り続けてきた澤さんの言葉にも重みがありましたね。
「障害にあい激しくその勢力を百倍し得る水なり」
この名言の意味は、「物事を進める上で障害や壁があったとしても、努力し続けていくことが自分の力となっていく」となります。
水は、時に岩や倒木によって流れをせき止められてしまうことがあります。人って壁にぶつかると「もういいや」ってあきらめてしまうことが多いと思うのですよ。そこで官兵衛は、挫折せず努力を継続すれば、自分の糧になると言っています。
私も挫折が多いですが 笑 唯一続いているのが「書く」ということです。それに、昔は努力することがなんとなくかっこ悪いイメージがありました。しかし、近年の「意識高い系」ブームがあり「努力も悪くないかも?」と思うようになりましたね。
「常に己の進路を求めて止まざるは水なり」
この名言の意味は、「自分が決めた道は、迷い止まることなく進んで行こう」です。
水は、雨が降ろうが雪が降ろうが流れが止まることはありません。人は自分で決めた道を、「これでよかったのか」と迷い止まることが多々あると思います。
転職だったり、結婚だったり、「この会社で、この人で良かったのだろうか」と思う方もいると思います。でも、官兵衛は自分で決めたなら迷って止まることなく突き進めって言っているのですね。深い言葉です。
「自ら潔うして他の汚れを洗い潔濁併せ容るるは水なり」
この名言の意味は、「嫌いな人でも嫌悪せず、良いところを見つけ共存していこう」となります。
水は、人が「この水おいしいからペットボトルに入れて持ち帰ろう」と言っても「そんなの嫌だから」とは言えないわけです。笑 官兵衛は例え嫌いな人でも、必ず良いところがあるから、仲良くやっていこうよと言っているのですね。
と言っても、現実問題難しい人が多いと思います。笑 私も、東北のとある都市の出身なので、どうしても関西の知人の間髪入れず突っ込んでくることが苦手でした。長く付き合っていく中で、姉御肌というか優しい人だと感じるようになりましたね。必ず人にはいいところがある。いいところをピックアップすると嫌いな人も気づいたら好きになっているかもしれません。
「洋々として大洋を充たした発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じあられと化しぎょうしてはれいろうたる鏡となりたえるもその性を失はざるは水なり」
いよいよ最後になりますが、この名言は、「その人の本質はそのまま残し、変化に対応するには、常に柔軟でなければいけない」です。
水は、沸騰させると「お湯」に変化します。人もさまざまな環境の中で、日々の生活に対応し、成長していこうと官兵衛は言っています。
正直、私の今の生活も、金銭的な事情で安いマンションに住んでいて、隣との壁は薄くてプライベートもあったものじゃありません。苦笑 けれどこの環境に耐えて成長できたら、また違う世界、上のステージが待っていると信じて日々生活しています。
まとめ
- 黒田官兵衛は、特に現代のビジネスマンにためになる名言を残していた。
- 水五訓という水に例えた珍しい名言を残していた。
官兵衛凄いですね!頭のきれる人だったと名言からもわかります。タイムスリップして官兵衛の家臣に願い出たいです。笑 みなさんはどの名言が心に響きましたか?